中国で急拡大し、日本においても注目が高まっているライブコマース。
日本企業でも活用が進んでいますが、導入してみたものの成果が現れず、撤退していく企業も少なくはありません。そこで本記事ではライブコマースを成功させるためのコツをご紹介します。
作成日:2024.09.09
更新日:2024.10.24
目次
- ◯ライブコマースとは
- ◯ライブコマース 配信のコツ
- ・目標設定
- ・商品選定
- ・ツール・プラットフォーム選定
- ・ライブ配信者の選択
- ・商品知識
- ・エンターテイメント性
- ・効果的な宣伝・告知
- ・最適な配信時間
- ・配信後のフォローアップ
- ◯ライブコマース 事例
- ・ユニクロ
- ・Qoo10 (NATURE REPUBLIC)
- ・Qoo10 (大阪王将)
- ・上司のあさみ (ReFa)
- ◯さいごに
ライブコマースとは
ライブコマースとは「ライブ配信」と「Eコマース」を組み合わせた最先端の販売手法です。
2016年に中国で誕生し、新型コロナウイルスの流行による追い風も受け、急拡大しました。
ライブコマースを活用することで、ライブ配信を通じて商材を宣伝し、そのままインターネット上で購入することができます。その最大の特徴は配信者と視聴者の双方向のコミュニケーションを実現できることで、これにより商品理解が進み、従来のECよりも商品の魅力を伝えることが可能になります。
ライブコマース 配信のコツ
まずは目的やKPI・KGIなどの目標を設定しましょう。ライブコマースは、売上を上げるほか、ブランドや商品の認知度を上昇させる役割を果たします。売上などの数値目標や、顧客満足度、サービス品質、ブランド・商品の認知度など、目標を明確にしましょう。
ライブ配信を通して視聴者に興味を持たせ購入に繋げるコツは、季節やトレンド、視聴者のニーズを理解し、商品を選定する ことです。市場のトレンドやその変化を把握し、ターゲット層を特定した上で、どのような商品が効果的かを見極める必要があります。
ライブコマースを成功させるためには、最適なプラットフォームを選ぶことが重要です。新規顧客の獲得であればユーザ数が多いSNS、コンバージョン率の向上であればスムーズな導線が確保できるECサイト埋め込み、といったようにターゲットや目的に応じたプラットフォームを選定しましょう。
ブランドまたは商品イメージに合った配信者を選択することで、商品の魅力を最大限伝えることが可能になります。配信者は大きく3つに分かれます。①ショップスタッフ②インフルエンサー③芸能人です。
①ブランドやショップのスタッフは商品に対する理解が深く、視聴者の購入後のギャップ解消に繋がります。実際に店舗で働くスタッフを起用すれば、ブランドイメージに直結することにもなります。
②インフルエンサーは10〜20代の若者からの人気が高く、若者向けの商品におすすめです。また、彼らは普段からSNSで配信をしているため、ライブコマースに活かせるノウハウを持っており、より効果的なライブコマースを行うことができるでしょう。
③芸能人に出演を依頼してライブコマースを行う企業もあります。芸能人の中でよくライブコマースに出演しているのは芸人です。エンターテイメント性の高い配信になるほか、幅広い年代の視聴者から人気があります。バラエティ感覚で視聴することができるため、ユニークな配信をしたい方におすすめです。
ライブ配信中、視聴者からの質問に答えられないと購入までの障壁となり、配信者やブランドへの不信感を抱かせてしまう原因にもなりかねません。商品についてよく理解した上で視聴者の疑問や不安解消に努めることがライブコマースの利点を活かした成功のコツと言えるでしょう。また、実際に商品を使ってみての感想や、普段から使用している場合は実体験も交えて配信すると、より効果的に商品の魅力を伝えることができます。
視聴者に楽しんで見てもらうことも購入を促進するために重要なポイントです。配信の流れを企画し、商品の情報を漏れなく伝えることが重要です。視聴者がどんなコンテンツに興味があるか、どうすればニーズに応えられるかといった点を分析すると良いでしょう。また、配信をより長時間見てもらうためには、配信の中にいくつかイベント要素を盛り込むことが視聴者の離脱を防ぐコツです。例えば、配信の後半でキーワードを発表し、そこから抽選で特典を付与するなど、視聴者に楽しんで見てもらい、配信への参加を促すといった工夫が必要です。
より多くの人に配信を視聴してもらうためには、集客のための宣伝をすることが重要です。手法としては、SNSを活用した告知、ニュースレター等のメールマーケティング、インフルエンサーとの共同告知・配信、ティーザー動画配信、自社ウェブサイトでの特設ページの作成、自社アプリ内での通知送信、配信プラットフォーム上でのリマインド機能などがあります。
ターゲットとなる視聴者の年齢層や職業等を把握した上で、最適な配信時間を見定めることが重要です。一般的には、主婦層には昼間、学生や働いている人には夕方から夜の時間帯が効果的です。この時間帯は仕事や学校から帰宅する時間帯で、スマホやパソコンなどを閲覧する時間が比較的長い時間確保することができると考えられます。昼休みの時間帯や週末も効果があると言えるでしょう。また、季節やイベント、セール期間に合わせた配信を行うことも効果的です。一方で、長すぎる配信は要点がまとまらず、視聴者の離脱に繋がってしまう可能性があるため、事前に流れを企画しておくことが大切です。何度か配信し分析・改善を繰り返すことで、自社や商品に合った最適な時間帯を特定するといいでしょう。
配信後はライブ動画をアーカイブとして表示することで、ライブを見られなかった視聴者や購入を悩んでいる視聴者に対してのひと押しをすることができます。また、配信動画を分析し、次回配信に向けて改善することがライブコマースを成功させるコツです。
ライブコマース 成功事例
・ユニクロ
※引用:【UT×ONE PIECE】世界最大のファンイベント潜入スペシャル
(https://www.youtube.com/watch?v=o4E8o9ZLGoE&list=PLb0U0IkaIcQUkRICEvLM-0CiuuHNNbdja&index=6)
ユニクロは大人気漫画ワンピースの25周年を記念してワンピース25周年UTを販売しました。ワンピースのファンイベント「ONE PIECE DAY’24」のグローバルパートナーシップを務めるユニクロは、「UT×ONEPIECE 特別展示」ブースを出展し、それに合わせてライブコマース「UNIQLO LIVE STATION」を実施しました。
・イベント会場からライブコマースを行う
・全国の店舗モニターからライブを同時配信
・配信動画をピクチャ・イン・ピクチャで表示し、自由度の高い導線を確保
・ワンピースのOPテーマ曲やアニメのシーンに合わせてデザインを紹介
・キーワード発表を通じた会場限定デザインUTの抽選プレゼント企画
・Qoo10 (NATURE REPUBLIC)
※引用:Qoo10 Live Studio (https://live.qoo10.jp/pc/studio)
Qoo10は「メガ割(約3ヶ月ごと12日間に渡って開催されるセール期間)」の開催期間中に、韓国発の自然派スキンケアブランド「NATURE REPUBLIC」のライブ限定スペシャルセットを販売しました。
・実演を交えた商品紹介
・ライブコマース限定セット商品を販売
・商品説明VTRで原料産地・製造方法・効果・使用方法など、スキンケア商品において視聴者が気になるポイントを抑える
・クリエイターや井上咲楽さんのレビュー動画でさらに商品の魅力を紹介
・配信中に実演し、使用感を伝える
・ライブ視聴特典:人気アイテムを抽選でプレゼント
・人気K-POPアイドルNCT127からの特別メッセージの配信、直筆サイン入り写真集をプレゼント
・特典内容のリマインド・コメントへの返答
・Qoo10 (大阪王将)
※引用:Qoo10 Live Studio (https://live.qoo10.jp/pc/studio)
こちらもメガ割の期間中に配信され、ライブコマース限定の特別詰め合わせセットを販売しました。
・芸人のトレンディエンジェルさん、ケンドーコバヤシさんが出演
・バラエティ番組のような演出
・クッキングスタジオから配信
・はじめに大阪王将ブランドの紹介VTRを配信し
・ライブ限定セットの内容説明、購入方法の説明
・調理実演・試食
・ライブ視聴者限定プレゼント企画
・Qoo10アプリ限定クーポンの紹介
・上司のあさみ (ReFa)
※引用:上司のあさみTikTok Lite内ライブ配信(https://lite.tiktok.com/t/ZS2mcHKp5/)(2024/08/07 20:00~22:00配信)
ReFaやSIXPADで有名な株式会社MTGは、ブランドライブコマーサーとして活躍する上司のあさみさんとブランドスタッフとともに光美容器のライブコマースを実施しました。
・配信のノウハウがあるライブコマーサーと、商品知識が豊富なブランドスタッフの2人が配信
・はじめに視聴者の悩みを聞き出し、資料を用いて商品の特徴や効果を説明
・特典や購入方法の説明
・視聴者の名前を読み上げてコメントに返答するなど、ライブコマースの双方向性を活かしたコミュニケーション
・画面外のスタッフのフォロー(コメント対応に抜け漏れがないか確認)
・購入方法、キャッシュバック特典の申請方法を再説明
さいごに
本記事ではライブコマースのコツや事例をご紹介してきました。より効果的なライブコマースを実施するために、これらのコツや事例をもとに自社に合った導入方法を検討していきましょう。しかし、ライブコマースがはじめての方や、成功するか不安といった方には専門の企業からコンサルティングを受けたり、委託してみることがおすすめです。弊社、株式会社ライズアースではインフルエンサーをキャスティングする「ライブコマースPR」と、プロが伴走してライブコマース体制を構築する「ライブコマース In-House」の2つのプランをご用意し、ライブコマースをトータルサポートいたします。
ライブコマースの導入をお考えの方、ライブコマースに関するお悩みをお持ちの方は、ぜひご相談ください。