導入方法から支援サービスまで 【企業向け】ライブコマースガイド

導入方法から支援サービスまで 【企業向け】ライブコマースガイド

中国で誕生し、新しいマーケティング手法として注目を集めているライブコマース。日本の企業においても導入が進んでいますが、そのメリットや効果はどのようなものなのでしょうか?

本記事では、企業向けのライブコマースの導入方法やメリット、またライブコマース事業を展開する企業をご紹介します。


作成日:2024.10.01



目次





ライブコマースとは


ライブコマースとはライブ配信」と「Eコマース」を組み合わせた最先端のマーケティング手法です。中国で誕生し、新型コロナウイルスの追い風も受け、世界中で拡大しています。配信者と視聴者の双方向のコミュニケーションが可能になることで商品理解が進み、そのままインターネット上で購入できるという利便性から注目が高まっています。日本の企業でも徐々に活用が進んでおり、成功を収めている企業もあります。





【企業向け】ライブコマースの導入メリット


・リアルタイムでの顧客とのエンゲージメント
ライブ配信中に顧客と直接コミュニケーションを取ることで、商品に関する質問や疑問にその場で対応することができます。これにより、商品に対する疑問を解消することができ、購入意欲を喚起することができます。

・コンバージョン率の向上
ライブ配信中に限定オファーや特典を提供することで、視聴者がその場で購入を決断しやすくなります。ライブ限定のクーポン配布や割引等を実施することで、カート投入や購入率の向上が期待できます。

・実演を通して商品の魅力を伝えられる
ライブ映像で商品を詳細に説明したり、使用方法を実演することで、視覚的に商品の魅力を伝えることができます。また、使用感を伝えることで購入後のギャップ解消にも繋がります。

・データ収集と分析
ライブコマースを通じてリアルタイムで視聴者の反応や購買のデータを取得することができます。視聴者からのフィードバックを活用することで、商品やプロモーション、ライブ配信の改善が可能になります。

・広範な顧客にリーチ

ライブコマースは場所を選ばず販促活動が行えるため、商圏外の顧客にもリーチすることができます。また、多数の顧客に向けて、対面でのイベントを実施するよりも設備やスタッフにかかるコストが抑えられます。ある自動車メーカーではそれまで限られた人数しか参加できなかったイベントをライブコマースで実施することで売上拡大に繋げることができました。

・販路の拡大

ライブコマースは最先端の販売手法であり、そのノウハウを身につけることで、これまでは実現できなかったオンライン上での新しい販路を獲得することができます。

・ブランド・商品認知度の向上
ライブコマースは、場所・人数を問わず誰でも参加することができます。インフルエンサーやタレントを起用すれば、これまでブランドや商品を知る機会のなかった顧客への認知に繋げることができます。ライブコマースを定期的に行うことで、ブランドの存在感や顧客へのリーチが増加し、長期的なファン獲得が期待できます。



企業がライブコマースを導入することで、双方向のコミュニケーションによる購入促進や、リアルタイムのデータ分析による視聴者の購買行動や課題点の可視化など、さまざまなメリットがあります。

ライブコマースが拡大している中国やアメリカを始め、日本でもこれらのメリットを活かしライブコマースにより売上を伸ばしている企業があります。




ライブコマース成功事例


ユニクロ株式会社

ユニクロは2020年に「UNIQLO LIVE STATION」を開始。ユニクロスタッフとリアルタイムで会話できる、豪華プレゼントが当たる、といったライブコマース独自の特徴があり、全国向けの「特集配信」と地域ならではの魅力を伝える「店舗配信」の2種類のライブ配信を実施しています。その他にも、デザイナーとの商品に関する対話やグローバルアンバサダーのトーク、海外向けのインバウンド配信等、多彩なイベントを企画し配信しています。2022年からの1年間で国内の年間累計視聴者数は1000万人を突破しました。

参照:ユニクロ公式-UNIQLO LIVE STATIONトップ

https://www.uniqlo.com/jp/ja/livestation/recommend



資生堂株式会社

資生堂は実店舗で磨いてきたコミュニケーションスキルを活かし、ライブコマースを行っています。日本国内では三越伊勢丹の化粧品オンラインストア「meeco」でライブコマースを実施しました。ビューティーコンサルタントが化粧品や美容法を紹介するライブを配信し、消費者はビューティーコンサルタントとコミュニケーションを取りながら商品を購入することができます。また、中国市場においてもライブコマースを推進しており、同国におけるEC売上は好調と報告しています。

参照:資生堂 ニュースリリース

https://corp.shiseido.com/jp/news/detail.html?n=00000000002941





ライブコマースと相性の良い企業


ライブコマースと相性の良い商品にはどんなものがあるでしょうか?

日本よりもライブコマースの活用が進んでいるアメリカでは、アパレルや美容系商品がよく購入されています(※グラフ1)。また、ライブコマースの配信方法として利用されるSNS上では、ライブコマース同様アパレルや美容系商品に加え、家具やテック系製品、食品・飲料がよく購入されています(※グラフ2)。

ここから、ライブコマースはアパレル、美容系商品、家具、食品・飲料との相性がいいことがわかります。そのため、アパレル、化粧品ブランド、家具メーカー、食品メーカー、小売店などの企業はライブコマースを導入することをおすすめします。

グラフ1

アメリカのライブコマースでよく購入される商品のグラフ(%)


参照Statista



グラフ2

アメリカのSNSでよく購入される商品のグラフ(%)


参照Statista




【企業向け】ライブコマース導入方法


目標設定
まずは目標を設定し、具体的な事前準備をしていきましょう。ライブコマースを実施する目的は大きく2つあります。1つ目はコンバージョン率を上げ、直接的に売上増加に繋げること。2つ目は商品や企業自体の認知度を高め、間接的に来店促進・販売促進に繋げること。目標を設定することで自社の目的に沿った運用をしていきましょう。



商品選定
ライブコマースではまず視聴者の興味を惹く商品を選ぶことが重要です。季節やトレンド、視聴者のニーズを理解し、商品を選定しましょう。ここで大切なのは、市場のトレンドやその変化を把握し、目標設定からターゲット層を特定した上で、目的に沿った商品を選定することです。



ツール・プラットフォーム選定
ライブコマースのツール・プラットフォームはライブコマース専用アプリ、ECモール型、SaaS型、SNSの4種類です。ターゲット層や目的に応じて最適なツール・プラットフォームを選択しましょう。例えば、ターゲット層が10~20代の若年層にはSNSプラットフォーム、主婦層にはECモール型が効果的です。また、目的が新規顧客の獲得であれば、ユーザ数が多いSNS、コンバージョン率の向上であればスムーズな導線が確保できるECサイト埋め込みが望ましいです。



ライブ配信者の選択
ライブコマースにおいて商品の魅力を最大限伝えるためには、企業やブランド、商品イメージに合った配信者を選択することが重要です。配信者は大きく3つのタイプに分けられます。


1. 企業/ショップスタッフ
企業/ショップスタッフは商品に対する理解が深いため、視聴者の購入後のギャップを解消する役割を果たします。実際に企業や店舗で働くスタッフを起用すればブランドイメージに直結し、親近感あるイメージを与えることができます。

2. インフルエンサー
インフルエンサーは10~20代の若者からの人気が高く、若年層向けの商品に適しています。また、彼らは普段からSNS等で配信しているため、ライブコマースに活かせるノウハウを持っており、より効果的なライブコマースを実施できるでしょう。

3. 芸能人
芸能人のなかでよくライブコマースに出演しているのは芸人やモデル、タレントです。例えば化粧品関連の企業であれば、モデルやタレントを起用し使用感やレビューを紹介することでターゲット層に向け、より影響力のある配信をすることができます。また、食品関連の企業であれば、芸人を起用することでエンターテイメント性の高い配信になるほか、幅広い年代の視聴者から人気があるため、集客力が見込めます。



コンテンツ企画
視聴者に楽しんでみてもらうことは購入を促進するためのポイントで、そこで重要なのはコンテンツ企画です。配信の流れを企画し、商品の情報を漏れなく伝えましょう。また、配信をより長時間見てもらうためには、配信の中にイベント要素を盛り込むことが視聴者の離脱を防ぐコツです。例えば、後半でクイズを出題し、正解した視聴者の中から抽選で特典を付与するなど、視聴者に配信への参加を促すと視聴時間が伸びることが期待できます。



集客
ECとは異なるプロセスですが、ライブコマースにおいては集客が成功のカギとなります。より多くの人に配信を視聴してもらうためには、集客のための宣伝や告知をしましょう。手法としては、SNSを活用した告知、ニュースレター等のメールマーケティング、インフルエンサーとの共同告知、ティーザー動画配信、自社ウェブサイトでの特設ページの作成、自社アプリ内での通知送信、配信プラットフォーム上でのリマインド機能の活用などがあります。また、より多くの顧客にアプローチするため、宣伝や告知は1週間前と当日など、複数回行うことがおすすめです。



配信
配信においてはターゲットとなる視聴者の年齢層や職業等を把握し、最適な配信時間を見定めることが重要です。一般的には、主婦層には昼間、学生や働いている人には夕方から夜の時間帯が効果的です。昼休みの時間帯や週末も比較的多くの視聴者が集まるでしょう。また、イベントやセール期間に合わせた配信を行うことで、集客力やコンバージョン率が高まることが期待できます。配信を繰り返し、分析・改善することで、自社や商品に合った最適な時間帯を特定するといいでしょう。配信中は、コメント機能などに目を配り、視聴者のリアクションに対応しましょう。ライブコマース配信ツールの中には、ライブ配信中に購入数やサイトアクセス数等を把握できる機能があります。視聴者のアクティビティを分析し、配信内容の調整や購入への後押しなど柔軟に対応しましょう。



配信後のフォローアップ
配信後はライブ動画をアーカイブとして自社サイト上に表示することで、ライブを視聴できなかった顧客や購入を悩んでいる顧客に対してもアプローチすることができます。配信動画を分析し、次回配信に向けて改善しましょう。



・ライブコマース支援を行う企業に委託
これまで紹介してきたプロセスの一部または全体をサポートする企業もあります。自社のみでの運営では不安という企業におすすめです。ライブコマースに関する実績が豊富でより効果的なライブコマースの実施が期待できます。
ここからはライブコマースの支援サービスを提供する企業やサービス内容を紹介していきます。





【企業向け】ライブコマース企業


Moffly

ライブコマース事業を手がける(株)MofflyはSaaS型ライブコマースサービス「TAGsAPI」を提供しています。

【TAGsAPI】
・要件定義(ビジネスゴールの策定、スケジュール管理など)
・戦略立案(集客方法及びツールの選定、コンテンツ企画など)
・ライブコマース配信サポート



パロニム

動画関連技術の提供や動画配信事業を行うパロニム(株)は、独自技術を活用したライブコマース配信ツール「Tig LIVE」を提供しています。

【Tig LIVE】
・詳細な視聴行動データの取得
・ヒートマップでユーザがタップした位置を視覚的に表現
・柔軟なアーカイブ掲載機能
・バーコード連動



ライズアース

プロダクション事業やライブ配信事業を展開する(株)ライズアースでは、ライブコマースに関する全ての悩みをトータルサポートする2種類のサービス「ライブコマースPR」「ライブコマースIn-House」を提供しています。

【ライブコマースPR】
・インフルエンサーのキャスティング
・ライブコマースでのPRサポート

【ライブコマース In-House】
・コンサルタントがライブコマース体制構築をサポート
・ライブコマース運営の指導や企画案の作成をサポート





さいごに


本記事では企業向けのライブコマース導入方法やライブコマース関連企業・サービスを紹介してきました。ライブコマースを成功させるためには、ブランドや商品にあった運用方法を見つけることが大切です。

弊社、株式会社ライズアースでは、ライブコマースに関するお困りごとをトータルサポートしております。ライブコマースの導入をお考えの企業様、ライブコマースにおけるお悩みをお持ちの企業様は、お気軽にご相談ください。