テクノロジーの発展や消費行動の変化によりEコマースが拡大し、その新たな販売手法としてライブコマースは注目を集めています。ライブコマースを活用することでどのように利益を上げることができるのか、その事例や戦略をご紹介します。
作成日:2024.11.13
更新日:2025.01.27
目次
- ◯ライブコマースとは
- ◯市場規模は105兆円!世界を牽引する中国のライブコマース
- ◯利用率70%以上!世界で拡大するライブコマース
- ◯EC市場規模は15兆円!日本のライブコマース市場
- ◯ライブコマースで得られる利益は?成功事例3選
- ◯ライブコマースで利益を上げるための8つの戦略
- ◯さいごに
ライブコマースとは
ライブコマースとは「ライブ配信」と「Eコマース」を組み合わせた新しい販売手法です。ライブコマースでは、SNSやプラットフォームを活用し、プロモーションから販売、視聴者とのコミュニケーションを通したサービスまで、一連の流れをリアルタイムで完結することができます。
また、従来のEコマースやテレビショッピングとは異なり、参加型で双方向のコミュニケーションを取ることができる、消費者の購入を喚起することができる、といったメリットもあります。
ライブコマースの市場は、日本・世界ともに拡大しており、利益を上げる新しいマーケティング手法として、活用が進んでいます。
市場規模は105兆円!世界を牽引する中国のライブコマース
中国のライブコマース市場は、2023年には約5兆元(約105兆円)に達し、これは新型コロナウイルス流行以前と比較し、11倍以上もの伸びを見せています。昨年は中国国民のうち、およそ60%ものオンラインショッピング利用者がライブコマースを利用しており、2026年までに4億3,000万人を超えると予想されています。
※単位:兆元
参照:statista (https://www.statista.com/statistics/1127635/china-market-size-of-live-commerce/)
利用率70%以上!世界で拡大するライブコマース
中国の4大EC企業で中国版TikTokを運営する「Douyin」では、ライブコマースにおける取引額が2019年から2022年の間に40倍増加しました。それを受け、TikTokなどのプラットフォームや他のEC企業はさらにライブコマースに重点を置いています。
ライブコマースの拡大は中国だけに留まりません。インドネシアやベトナムではソーシャルメディアの利用者がますますライブコマースを利用しており、インドやタイでは、ライブコマースにおける消費活動が中国に追いつくほどにまで拡大しています。
また、アメリカにおけるライブコマースの売上は500億ドル(約760億円)に達しており、急激な成長を見せています。
ブラジルはラテンアメリカのライブコマースを牽引しており、ライブコマースは世界的に活用が進んでいます。
参照:statista (https://www.statista.com/statistics/1341653/live-commerce-adoption-by-country)
EC市場規模は約15兆円!日本のライブコマース市場
日本でも新型コロナウイルスの感染拡大を契機にEコマースでの支出が増加しています。
日本のBtoCのEコマースにおける市場規模は2023年時点で14兆6,760億円であり、この10年で約8兆円の増加。EC化率は9.38%と、この10年で約5%の伸びを見せており、BtoCのEC市場規模の推移は着実に上昇しています。
企業はWeb広告やライブコマースを強化しており、Eコマースにおけるライブコマース利用者の増加が予想されています。様々なライブコマースプラットフォームやライブコマース関連のサービスが登場しており、今後もライブコマース市場は拡大していくと考えられています。
また、2023年における、ライブコマースで商品を購入したことがある人の割合は、アジア諸国では70%以上、アメリカでは40%であるのに対し、日本は15%と、世界的に見てもまだ低水準で伸び代があると考えられるでしょう。
※参照:経済産業省「令和5年度電子商取引に関する市場調査」(https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/statistics/outlook/R5tyousahoukokusho.pdf)
ライブコマースで得られる利益は?成功事例3選
・1日で50億円以上!中国向け越境ライブコマース
高級美顔器メーカーの株式会社A.GLOBAL(旧ARTISTIC & Co.)は2021年の独身の日セール(11月11日に祝われる「独身者の日」に開催される大規模セール)にライブコマースを実施しました。海外の国への販売でしたが、ライブコマースの強みを活かし、前年比167%となる50億円以上の売上を達成しました。
※参照:PR TIMES (https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000036.000069487.html)
・BEAMS、1時間で約100万円の売上!
株式会社ビームスは2020年3月、同社初となるライブコマースを実施しました。様々なスタイルやアイテムをコーディネートのアイディアや解説を交えながら紹介し、1時間の配信で6,000人以上が視聴、約100万円の売上を記録しました。
※参照:NTT東日本 BIZ DRIVE:(https://business.ntt-east.co.jp/bizdrive/column/dr00065-007.html)
・インフルエンサーが配信 1時間未満で約400点販売!
ライブコマースの運営代行などトータルサポートを行なっている株式会社ライズアースでは、インフルエンサーやモデルなど、美容好きな女性の間で話題のヘアケア商品を提供する美容製品総合メーカーによるライブコマースを実施しました。インフルエンサーを起用し、蓄積したデータを元に独自の集客方法を駆使して事前告知などを行いました。配信内で商品を実際に使用し、感想を伝えることで視聴者を引きつけ、総視聴者数は13,000人以上、約50分で約400個、60万円の売上を達成しました。
ライブコマースで利益を上げるための8つの戦略
②商品選定
③ライブコマースツール・プラットフォーム選定
④ライブ配信者選定
⑤配信コンテンツ企画
⑥最適な配信時間の検討
⑦集客
⑧配信後のフォローアップ
①目標設定
目標設定では、ライブコマースを行う目的やKPI・KGIを明確に設定しましょう。ライブコマースを行う目的は、「売上を向上させる」、「企業ブランドの認知度を向上させる」など企業によって様々です。今回は利益を上げるための戦略なので、「売上を向上させる」という目的が当てはまると考えられます。
②商品選定
商品選定では、設定した目的をもとに、トレンドやニーズを把握し、ターゲット層の関心を惹く商品を選定しましょう。
③ライブコマースツール・プラットフォーム選定
ライブコマースの配信方法には、ライブコマース専用アプリ、ECモール型、SaaS型、SNSの4種類があります。ターゲット層や商品、目的に応じて最適なツールやプラットフォームから配信しましょう。
④ライブ配信者選定
商品知識のある企業スタッフ、配信ノウハウを持つインフルエンサー、幅広い年代から人気のあるタレント・芸能人など、企業ブランドや商品イメージに合った配信者を選びましょう。
⑤配信コンテンツ企画
配信の流れを企画し、商品の情報を漏れなく伝えましょう。視聴者を惹きつけ、長時間視聴してもらうためのコンテンツ企画も重要です。例えば、プレゼント企画などを行うことで購買に直結する施策を盛り込みましょう。
⑥最適な配信時間の検討
配信の際はターゲットとなる視聴者の年齢層や職業等を把握し、最適な時間を検討しましょう。
⑦集客
ライブコマースでは、いかに多くの視聴者を集めるかが利益を上げるためのカギとなります。SNSやネット広告を活用して宣伝や告知を行い、集客力を高めることが重要です。
⑧配信後のフォローアップ
配信後はアーカイブ機能や分析機能、ライブコマースサービスを利用し、より効果的な次回配信に繋げられるようにすることが大切です。アーカイブ配信を活用すれば、購入を悩んでいる顧客に対しアプローチすることが可能です。
ライブコマースの配信のコツについてはこちらの記事で詳しく説明しています。
さいごに
ライブコマースは、スマートフォンなどのカメラ一台で多くの顧客にアプローチすることができ、短時間でも大きな利益を生み出すことができます。世界的に活用が進んでいるライブコマースですが、日本でもその市場規模が拡大していくことが予想されており、効果的なライブコマースを行うことで今後さらに利益を上げることが期待できます。
株式会社ライズアースでは、ライブコマースに関するお困りごとをトータルサポートしております。利益を上げるための効果的なライブコマースをご支援いたします。お気軽にご相談ください。