ライブ動画配信とインターネット販売を掛け合わせた新たな販売の手法として話題を呼んでいる「ライブコマース」。近年の中国や韓国での市場の活況を受け、日本でも注目を集めはじめています。ですが、日本ではまだまだ認知度が低いのが現状です。本記事では、ライブコマースが日本で流行らないと言われている理由と、それでも注目を集め、日本で成功した事例をご紹介します。
作成日:2024.10.24
更新日:2024.12.06
目次
・ライブコマースとは
・日本のライブコマースの現状は?
・日本でライブコマースが流行らないと言われている理由
1、販売力のある配信者(ライブコマーサー)の不足
2、ライブコマースに特化したプラットフォームが未発達
3、ECサイトの信頼性が高い
・日本での成功事例3選
・さいごに
ライブコマースとは
ライブコマースとは、“ライブ配信”に“Eコマース”を掛け合わせた最先端の販売手法です。Instagram・TikTokなどのSNSやライブコマース配信のプラットフォーム上でライブ配信を行いながら商品を紹介・販売します。
ライブコマースの一番の特徴は、配信者と視聴者がリアルタイムでコミュニケーションを取れること。写真やテキストだけでは伝わらない商品の魅力を、双方向でコミュニケーションを取りながら、効果的に発信することができます。
ライブコマースは、特に中国において急激に拡大してきました。
出典:Iresearch「中国ライブコマース2020年」を基に作成
以上のような市場規模の急速な拡大、消費者へ与える影響力の大きさや実際の数々の成功事例を受けて、ライブコマースは現在、中国国内にとどまらず世界中が注目するトレンドとなっています。
日本のライブコマースの現状は?
こうして中国で急成長を遂げているライブコマース市場ですが、日本国内ではどうでしょうか。
ライブコマース自体の認知度はというと、2023年の調査時点で、「日本国内のライブコマース認知者」は31.9%、うち「視聴経験者」は3.9%と報告されており、まだまだ低いのが現状です。一方で、「視聴経験者」のうち過半数の54.8%が実際に商品を購入したことがあるとの報告もされています。特に若年層ほど購入率が高く、今後の市場規模拡大に向けた大きなポテンシャルと伸び代を持っていると言えます。
(参照:NTTコム リサーチ『「ライブコマース」に関する調査』https://research.nttcoms.com/database/data/002208/
コロナ禍以降、日本ではSNS上で気軽に動画を配信・視聴する文化が根付き、SNS上には数万人規模のフォロワーを持つインフルエンサーも多数登場しています。こうした状況を鑑みると、ライブコマース流行への基盤は固まりつつあると言えるでしょう。
今後のライブコマース市場拡大に対する期待と注目が集まっています。
日本でライブコマースが流行らないと言われている理由
以上のように、日本国内においても注目度が高まっているライブコマースですが、一方で、「日本ではライブコマースは流行らないのでは?」という意見もあります。
このように、ライブコマースが日本で流行しないと言われている背景や理由について解説します。
① 販売力のある配信者(ライブコマーサー)の不足
ライブコマースの成功には、プロモーションや販売に長けた「ライバー」の存在が欠かせません。中国では、商品知識が豊富で強い販売力を持つ「KOL(キーオピニオンリーダー)」が多く活躍し、大規模な売上を実現しています。しかし日本では、商品の販売に特化したライバーやライブコマーサーがほとんどいないのが現状です。
そのため、芸能人やSNSのインフルエンサーを起用してライブコマースを実施する場合がほとんどです。しかし日本のインフルエンサーは、動画や画像を使ってPRする能力は優れているものの、リアルタイムで販売を進行するスキルは不足していることが多く、これが売上に直結しにくい要因となっています。
②ライブコマースに特化したプラットフォームが未発達
中国では、Taobao(淘宝)や抖音(Douyin)など、ライブコマース専用のプラットフォームが多く存在し、ユーザーは日常的に配信を楽しんでいます。しかし、日本ではライブコマースに特化したプラットフォームが少なく、配信を通じて商品を購入する文化が根付いていません。
現状では、InstagramやYouTube、TikTokといったSNSのライブ機能が活用されていますが、これらのプラットフォームはライブコマース専用ではないため、運用において工夫をしなければいけない点が多々あります。それでも一部の企業はSNSの活用によって高い成果を上げており、成長の余地は十分あると考えられます。
③ECサイトの信頼性が高い
中国市場では、かつて偽物商品の流通などが問題となっており、消費者は信頼できるインフルエンサーが紹介する商品を求める傾向があります。ライブコマースでは、専門性の高いライバーが商品を紹介し、消費者がその場で疑問を解消できるため、安心して購入できるという利点が支持を集めています。
一方、日本ではECサイトや実店舗の信頼性が比較的高く、偽物の問題は中国ほど深刻ではありません。そのため、日本の消費者は「信頼」を理由にライブコマースで購入する動機が弱いと言えます。また、日本の消費者は商品の品質や情報を慎重に検討する購買傾向が強く、即断即決のライブコマースのスタイルはマッチしにくい面があります。
日本での成功事例3選
ここまで、日本でライブコマースは流行らない と言われている背景や理由について解説しました。しかしながら、こうしたネガティブな要因をしっかりとカバーすることで、大きな売り上げを達成した成功事例も少なくありません。
そこで、そんな日本でのライブコマースの成功事例を3つご紹介します。
①【ももち】15分で即完売。売上総額1,900万円
インフルエンサー兼ライブコマーサーとして若者から絶大な人気を誇る「ももち(牛江桃子)」。日本国内でトップの影響力を持つ、数少ないライブコマーサーのうちの1人です。
彼女がプロデュースするアパレルブランド「Lil Ambition」の第一弾商品のライブコマース配信をInstagramで実施した後には、販売開始後わずか15分でウェア全商品が完売しました。売上総額は約1,900万円にのぼるとの報告もあります。
配信者として、商品をPRする高いスキルとトーク力を備えることで、ライブコマース配信にエンタメ性が生まれ、以上のような高い売り上げに繋がったと言えるでしょう。
②【ニトリ】国内通販売上高 前期比28.3%増
ニトリホールディングスは、ライブコマース『ニトリLIVE』で季節のニーズに合わせた商品を販売しています。2023年3月期中には、合計86回のライブコマースを実施し、累計視聴者数は260万人以上。このライブコマース配信が売り上げアップに繋がり、2023年3月期の国内通販売上高は前期から28.3%増え、911億円となりました。
このライブコマースの特徴は、「ニトリLIVE」「デコホームライブ」「みんなで学ぼう! #ニトコーデ」「ニトリLOVE」の、4つのテーマに分けて、様々な情報を配信していることです。曜日ごとにテーマが決まっており、定期的に配信されているため、ユーザーの日常の一部として浸透させることが出来ているのがポイントです。
③【ライズアース】Instagramストーリーズ 合計約270,000リーチ
ライズアースでは、商品と相性の良いインフルエンサーをキャスティングし、ライブコマースでPRするサービスを提供しています。
このライブコマースでは、SNS総フォロワー数200万人越えのインフルエンサー【すみぽん】が配信し、Instagramのストーリーズ機能を用いた事前告知などを行った結果、総視聴者数 約10,000人、Instagramストーリーズ 合計約270,000リーチを達成しました。
このように、PRする商品のターゲット層とマッチしたインフルエンサーを選ぶことで、高い集客力やインプレッション数につながる可能性がアップします。
配信者としてインフルエンサーを起用したい場合は、ライブコマースに特化した企業のインフルエンサーキャスティングサービスなどを利用するのがおすすめです。
提供: [株式会社ライズアース]
さいごに
今回はライブコマースの日本での現状や流行らないと言われている理由について解説しました。成功事例で紹介したように、日本に合ったライブコマースの形へと見直すことで、思った以上の成果を出すことができる可能性があります。今回紹介した成功事例を参考にしたり、ライブコマース専門のプロに依頼してレクチャーを受けることで、売り上げアップを目指しましょう。
株式会社ライズアースは、ライブコマースへの課題や悩みを抱えていたり、「ライブコマースを専門のプロにレクチャーしてほしい!」とお考えの企業様に最適なサービスを提供しております。それが、「ライブコマースPR」です。
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